認知症の男性が電車にはねられて死亡した事故を巡り、JR側が遺族に損害賠償を求めた裁判で、1審で男性の妻と長男の責任を認め約720万円の賠償を遺族に求めていました。その当時、介護事業経営のクライアント様と話題にのぼったことがあり、賠償金額の大きさにびっくりしたものです。
24日の2審判決で、長男については責任がなく、妻については監督不十分であったと1審で認めた賠償額の半分にあたる約360万円の支払いが命じられました。このニュースはご存知の方も多いと思います。
家族が認知症になったら。。今のところ、家族に認知症、介護が必要な身内がいないのですが、将来はひとごとではないと感じています。私が身近に感じたことでは、自宅の自転車を乗って帰ろうとした認知症の方を保護して家族へ連絡したことがあります。迎えに来られたご家族に聞くと、夜中に抜け出して、どこに行ったのか心配して眠れなかったとのこと、認知症の方を24時間見守ることは家族の負担が大きいことは想定されます。また、今回のケースは、その男性の妻は、高齢で一人では介護できない状態だったそうです。
家族が認知症になったら、家族だけが負担をするのでなく、地域全体で見守っていく体制が必要なのですが、実際は、認知症の方の保護に理解のある方は少ないのではと感じています。
地域密着型サービス事業である認知症共同生活介護(グループホーム)の指定に関する業務を進める中で、地域住民を対象にした説明会でのこと。自宅近くに認知症の人が住む施設を建ててほしくないと反対する意見の人が多かったことに驚いたことがあります。
そもそも、地域密着型サービスは要介護や要支援状態となっても可能な限り、住み慣れた自宅や地域での生活を継続できるようにすることが目的の事業です。市町村の担当者さんから、「各町ごと、各大字ごとに1か所ずつでもほしいくらい認知症の方の増加に危機感を抱いている。」とお聞きしたことがあります。
社会全体で認知症の方のケアに取り組んでいく時代になっていることを、もっと知っていただきたいと思います。
私にできることとして、小規模多機能型居宅介護、グループホームの事業者申込みの前には事前に地域住民へ説明することが必要であり、①この事業はどんな介護サービスなのか、②なぜ地域に必要なのか、わかりやすく説明できるように研究していきます。クライアント様から説明会で説明するように依頼があるときもありますので、そのときにお役に立つように備えておきたいと思います。